飛翔体って何なの? 弾道ミサイルとの違いは?

ュースは毎日いろいろなものが入れ代わり立ち代わりで報道されています。

時事・外交・芸能・流行…記事になるものはたくさんありますが、なんでも今の時代で1日に触れる情報量って、江戸時代の1年分、平安時代の一生分を浴びながら生活しているって言うから驚きです。

良いニュースもあれば悪いニュースもあって、最近は特に良いニュースってあんまり聞くことなくて滅入ってしまうことも多々ありますが…

 

て、そんな中よく速報などで見るニュースが、

「某国が飛翔体を発射、弾道ミサイルか」

というもの。

2022年の特に後半、何度も飛翔体発射の速報が携帯電話に飛び込んでくる始末ですが、そもそも何故「弾道ミサイル試射」とか「ミサイル発射実験」みたいな書き方をしないのでしょうか。わざわざ回りくどい言葉を用いるのには何か意味があるの?

…と、速報を見ながらふと疑問に思い立ったので調べてみることにしました。

飛翔体とはそもそも何なんだろう?

て、それではなぜわざわざこんな回りくどい言い方をしているのでしょうか。

そもそも、飛翔体の定義としては

  • 人工物であり、高空を飛ぶ物体であること

となっています。具体的に言ってしまえば、弾道ミサイルのほかにも宇宙ロケットなども飛翔体に含まれます。

これは長距離・中距離弾道ミサイルの構造と宇宙ロケットの構造が非常に似通っているため、発射されたその瞬間はどちらが飛ばされたか特定できないのでそのような言い方になるわけですね。事実、2009年以降飛翔体発射実験は活発化したのですが、打ち上げ国は『人工衛星搭載の打ち上げロケット発射であり、純粋な平和利用の宇宙開発の一環だ』と主張しています。平和への宇宙開発、戦争への弾道ミサイル…まったく真逆になるんだから、恐ろしい話ではありますが…

ということで、「弾道ミサイルと宇宙ロケットは非常に構造が似ている」というのがミソになってくるわけです。先に打ち上げるという情報が公開されない限り、打ち上げられた物体がどちらなのかを外から判断することはほぼ不可能だというわけですね。

飛翔体と称される弾道ミサイルの威力って?

なみに、2022年の10月に発射されたICBM(大陸間弾道ミサイル)は推定飛距離が4600kmであるとされています。

これは日本を簡単に飛び越え、太平洋上に落下しました。つまり、日本のすべてが射程距離圏内に入っているということになりますね。東京からピョンヤンの距離はそもそも1300km弱なので、今回の弾道ミサイルほどの性能がなくとも着弾は容易そうではありますが…

実際、飛んだ距離は4600kmですが、最大飛翔距離は6000kmなんだそうです。6000kmともなると、東京からウズベキスタンまでがだいたい6000kmらしいので、アジア圏はほぼすべて射程圏内に入るということですね。そう考えると脅威度も分かっていただけるかと思います。

まとめ:飛翔体とわざわざ言うのはミサイルか特定できないから

いうことで。

ここまで簡単ではありますが、飛翔体と弾道ミサイルの違いを見てきました。結果としては、飛翔体という言葉の中に弾道ミサイルと宇宙ロケットという意味が含まれていて、発射されたときに特定できない場合に飛翔体とわざわざ言う…というのが答えというわけですね。

2022年に入り、世界情勢は物騒なほうへと進んできているのは間違いありません。近頃のニュースでも、飛翔体発射は挑発行為でもあるが、これを抑止する手段を持たないみたいなものも出ていましたし。

何にせよ、このまま最悪な方向へと突き進んでいくのはどうにかして回避したいものです。これが実際は、本当に宇宙ロケットだったとかだったら平和的解決なんですけどね…。

でも、そんなことはあり得ないですね。